研究会報告
ルーヴル美術館イスラーム部門の資料調査
これまでに日本の調査隊(早稲田大学・出光美術館・中近東文化センター・イスラーム考古学研究所)が30年間にわたり、イスラーム時代のエジプトおよび紅海地域の発掘調査を行ってきてその資料が蓄積されている。一方、ルーヴル美術館では、イランでスースとニーシャープールの発掘調査を実施している。そこで、ルーヴル美術館との関係強化により、エジプトとイランの両地域の「モノ」を通じた文化の比較研究を推し進める目的で、ルーヴル美術館の収蔵品や出土品の研究調査を行った。
ルーヴル美術館イスラーム部門事務所において、Rocco Rante氏と研究活動の打ち合わせ、および、ルーヴル美術館所蔵品のデーターベースの閲覧をおこなった。また、ルーヴル美術館地下倉庫に収蔵されているスーサ遺跡出土ガラスの撮影および観察を行った(ただし、撮影資料は別途許可が必要なため非公開原則)。この調査の結果、報告書ではわからないイラン出土の初期イスラーム・ガラスの素材的特徴について知見を得ることができた。これによって、同時代のエジプトとの出土資料との比較が可能となった。
これに関連する次年度の計画として、ルーヴル美術館との情報交換を進めつつ、エジプトのフスタート遺跡に収蔵されているガラス器とイスラーム陶器を対象に調査を実施する。特に、資料間の客観的データー比較が行えるように、ポータブルの蛍光X線分析装置を現地に持ち込み、ガラス及び陶器の釉薬の化学組成分析を行うために、研究分担者である東京理科大学中井泉教授と本事業研究協力者とを、現地で調査させる予定である。
また、10月にギリシャで開催される国際ガラス史学会(AIHV)会議において、事業成果の報告を行い、関連研究の情報収集を行う。(文責 真道洋子)





































